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キャピタルメディカ STORIES

Capital Medica Special Meetup~ベンチャー投資/キャピタルメディカ・ベンチャーズ編~

最後は、昨年ヘルスケア領域に特化したベンチャー支援を行う子会社キャピタルメディカ・ベンチャーズを立ち上げた青木が、その投資スタンスや構想を語りました。

前の白子の話にもありましたが、キャピタルメディカという会社は病院という事業フィールドを直に利用してPDCAをまわしながら事業をつくれるのが強みです。それをオープンプラットフォームでやっていくための仕組みづくりをしたり、キャピタルメディカの次の10年をつくる事業を共に創ってくれるヘルスケアベンチャーのための投資育成アプローチをしています。

―今、有力なヘルステックベンチャーがたくさん出てきている

昨年の11月にキャピタルメディカ・ベンチャーズ(CMV)という会社を設立しましたが、お陰様で問い合わせが殺到しています。

ヘルスケア領域のベンチャー投資は10年程やってきていますが、10年前よりも圧倒的によくなっている印象です。今は医療従事者の方が起業したりしているので、その業界に詳しい企業さんも増えてきました。

昔は、とりあえず製薬会社から広告費をとって―というビジネスモデルばかりでしたが、
そうは問屋が卸さないよねということを皆さん理解しだしてきて、色々な角度で事業を創られています。

良い企業がいっぱい出てきてはいるけれども、やはり課題は、事業のPDCAを廻せるフィールドがないことだと思っています。

こういう世界観を目指しているの一例を挙げると、アメリカのカイザーパーマネンテベンチャーズ(KPV)という会社があります。

アメリカは日本と異なり皆保険制度がないため、個人で色々な保険に入ったりしていますが、その中でもカイザーパーマネンテは米国最大の保険会社です。1,000万人くらいが加入しており、病院も38、クリニックも630ヶ所運営していて、医師は18,000人、看護師5万人、職員20万人を抱える超巨大起業です。
7兆円の売上で純利益2,200億円も出している。

KPVはそのカイザーパーマネンテのコーポレートベンチャーキャピタルで、歴史は15年くらいあります。
投資ポートフォリオは実に明確です。
カイザーパーマネンテグループ社員の健康を向上させる質の高いサービスや、カイザーパーマネンテが運営する病院に導入するサービスなどを投資対象としています。

ヘルスケアのベンチャー企業は概して想いが強すぎて“患者さんをよくしたい”とか
ホスピタリティに溢れる考え方をされる方が多い印象があります。

一方、KPVはいかに病院のコストを下げられるか、売上を上げられるかという視点で見ています。

ヘルスケアは想い先行型になりがちだが、成功しているところはしっかりとその“2つの軸”をビジネス目線で見ているところが多いと思います。

鳴かず飛ばずのベンチャー企業でもKPVが投資をして、カイザーパーマネント直営の病院に導入し、PDCAをまわすといった支援をすることで、商品の磨き込みができています。
面白いのが、10年泣かず飛ばずだったのに、KPVが支援してから2年後にはIPO、といった企業が複数あることです。
日本においてこれができるのはキャピタルメディカ・ベンチャーズのみだと思っています。

-病院のビジネスプロセスを分解してみると、それぞれの要素に対して改善の余地が有りすぎる

キャピタルメディカだけではリソースが足りないので、外部企業と積極的に事業協創をはかっています。

―投資基準は一緒に事業を創れるかどうか

私たちは病院という事業フィールドを持っていて、そこで事業協創できる企業を探しています。
まずはビジネス・プロセスに対してアウトソーシングできるサービスを創りたいと考えています。
たとえば、生産性を向上させるようなコストダウン系や、あるいは(病院には人事部がないので)HRMを一気通貫で出来る会社はないか、など。

また、病院の事務、請求・会計まわりはだいたい、派遣会社がやっているところが多いのですが、他の業種で当たり前の“クラウドでみんなやっているよ”という世界観が病院にはありません。

本来創っていけるはずなのに、失敗したらすぐ出禁になったりと、トライアルできるフィールドがないのが最大のネックなので、それを私達で一緒につくっていきましょうと思っています。

まだ立ち上げたばかりの会社ですが、既に1件投資をしています。

株式会社リゲインという会社があり、理学療法士とユーザーをマッチングさせるプラットフォームを提供しています。

理学療法士は日本に20万人くらいいますがDr.や看護師と違って独立するのが難しく、キャリアを迷われている方が多かったりとか、何かやろうと思っても訪問看護ステーションを設立するしか方法がなかったりという実情があります。
たとえば、オンラインで遠隔リハビリができたら上記の問題は解決されます。

サーベイと呼ばれる問診でその人に合わせたリハビリを提供し、ストレッチだったり自分でできるマッサージをチャットであったりビデオ通話でコミュニケーションできる、そこでフィードバックがあって―、など。

それだけでも十分面白いのですが、キャピタルメディカグループ全体で考えると、また別の視点も生まれてきます。

現場のニーズで実際にどんなことがあるかというと、たとえば介護の現場になりますが、要介護になる原因の第3位くらいに入るのが、転倒してしまって骨折して寝たきりになるケース。これが非常に多いです。

転倒はどうしたら防げるのか-、様々な角度でみなさん商品をつくっていますが、現場のことをわかっていないし施設のこともわかっていないから、“こうなったらいいよね”っていうのを自己満足でつくってしまう傾向があります。

たとえば、毎日10km歩いていればいいですよ、と言うのは簡単だけれど、本当にできるのかどうかは別の話です。
でも私たちの病院や介護施設に対して、問診と動作テストを自動的にできるようなリスク判定のサービスを提供して、入居者に対してパーソナルな改善活動を提供できるようになれば、リスクが高い方はその改善サービスを受けてリスクが低ければそのままでよいですよ、といった仕組みをつくっていけると考えています。

冒頭に戻りますが、私たちがやりたいのは単に投資してキャピタルゲインを儲けます、というところではなく、キャピタルメディカと一緒に事業を創ってくれる仲間を探しています。

どういう事業がつくれるのか、スキルセットやサービスをこういう風に変えると病院や介護施設にマッチしたものになっていくよといったことを、一緒にディスカッションしていけたらと考えています。

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