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病院経営 虎の巻

虎の巻その11 病院の収入について(上)

虎の巻その11 病院の収入について(上)

1.はじめに

 こんにちは。虎兄(とらにぃ)です。病院経営コラム「病院経営~虎の巻~」。前回は、病院再生には経営戦略策定の流れについてお伝えしました。
 今回は病院の収入構造について触れ、経営戦略(方針)の「収入計画」をどのように具体的な戦術(方法)へ落とし込んでいくのかを説明していきます。
 

2.病院の経営に直結する数字、「収入」について理解する

 病院の収入とは、【患者の数】×【診療単価】です。
 診療単価とは患者1名が1回の診療で払う金額のこと。外来では1回の診療、入院では1日あたりで診療単価を指標として出すのが普通です。
 
 「病院が繁盛している」状況というと、待合室に患者が溢れている、【患者の数】が多い(稼働率が高い)イメージが浮かぶかと思います。
 一方で、【診療単価】を上げる、という方法があります。
 (図1)で表してみましょう。縦軸が【診療単価】、横軸が【患者の数】として、この面積の広さが収入となります。
 【診療単価】を上げて上方向に面積を広げるか、【患者の数】(稼働率)を上げて、右方向に広げていくか。理想は、右上方向に広げていくことです。
 
病院の「収入」のイメージ

(図1)病院の「収入」のイメージ

 
 もちろん、それ以外にも費用を削減して損益分岐を下げるという方法も考えられます。
 非常に単純なことなのですが、損益計算書上、黒字化させるには

 ①患者数を増加させる
 ②診療単価を上げる
 ③費用を削減する

 この3点で黒字化できます!
 ……と、簡単に言いましたが「では何をすればよいの?」となりますよね。
 

3.収入構造のツリー分解してみる

 各病院の収入構造を分解してみると、どこの部分を強化すればよいのか、よく理解できます。
 一般的な救急病院を例に、収入構造を分解したものが(図②)です。
 
病院の収入構造

(図2)病院の収入構造

 
 まずは患者数を【入院】、【外来】、【その他】に分類するとしましょう。【入院】および【外来】収入はさらに分解してルートが分けられます。

 【入院】であれば[自院の外来からの入院]、[救急車からの入院]、[他施設紹介からの入院]なのか。(この表にはありませんが、[退院患者数]も大切な指標です。)
 【外来】であれば[新規患者]もしくは[再診患者]なのか。
 【その他】のうち検診であれば、[一般検(健)診]もしくは[企業健診]、行政主体の[市民健診]等なのか。

 続いて、診療単価についてです。【入院】の診療単価は主に[出来高部分]と[包括部分]にわかれます。
 包括、とは「診療群分類包括評価」のことでDPC制度(Diagnosis Procedure Combination)とも呼ばれ、病名や手術・処置等の内容に応じ1日当たりの定額の医療費を計算することです。(「まるめ」と呼ばれることもあります)
 一方、出来高では[手術]、[リハビリテーション]、[検査]、[画像診断]、[その他指導]などにわかれており、これらの件数を増やすことで、診療単価を上げることが可能です。

4.まとめ

  • 病院の収入とは、【患者の数】×【診療単価】である
  • ①患者数を増加させる②診療単価を上げる③費用を削減する、この3点病院は黒字化する
  • 現状を認識するために、収入構造をツリー分解し定量分析する

 
 長くなったので次回、病院の収入について(中)へ続きます。
 「病院経営~虎の巻~」、次回もお楽しみに!

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