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病院経営 虎の巻

虎の巻その7 医療法の改正と歴史について

病院経営 虎の巻その7

1.はじめに

こんにちは。虎兄(とらにぃ)です。病院経営コラム「病院経営~虎の巻~」。今回は医療法についてです。前回の記事で病院の 特性に「制約の存在と制約の変化」があると紹介しました。その制約の大元となる法律のひとつが「医療法」です。
「医療法」は「医師法」、「歯科医師法」、「保健師助産師看護師法」等と並び、医療の提供体制を定める法律 として我が国の衛生法規の根幹をなすもので、医業を行うことのできる施設としての病院、診療所等について定める医療施設に関する根本的な法規です。
今回はその概要と大まかな改正の流れを見て行きましょう。

2.医療法の目的と主な内容

医療法の目的は、医療を受ける患者の利益の保護と、良質・適切な医療の効率的な提供体制の確保を図ることで、国民の健康の保持に寄与すること、とされています。
主な内容は以下の通りです。

① 総則(医療提供の概念、病院・診療所など)
② 医療に関する選択の支援等
③ 医療の安全の確保
④ 病院、診療所及び助産師の開設・管理・監督等
⑤ 医療提供体制の確保
⑥ 医療法人制度

3.医療法の改正について

医療法は1948年(昭和23年)の制定以来70年以上たっていますが、現在までに8回改正されていますので主な改正点を見て行きましょう。

【第1次改正】 1986年(昭和61年)施行
・医療計画制度の導入
・病院病床数の総量規制
・医療資源の効率的活用
・医療機関の機能分担と連携を促進
・医療圏内の必要病床数を制限

総量規制のはじまり。医療計画においては、医療圏ごとに必要病床数を定め許可制とすることで、一定の猶予期間をおいて、 その後は必要病床数を超える新たな病院・病床の設置を排除しました。

【第2次改正】 1993年(平成5年)施行
・特定機能病院及び療養型病床群の制度化
・看護と介護を明確にし、医療の類型化、在宅医療の推進
・広告規制の緩和

病床機能の類型化され、診療報酬における包括支払い制度がはじまりました。

【第3次改正】 1998年(平成10年)施行
・地域医療支援病院制度の創設
・診療所における療養型病床群の設置
・在宅における介護サービスの在り方
・医療機関相互の機能分担
・インフォームドコンセントの法制化

大病院思考からより地域重視へ。 他の医療機関との連携がはじまりました。

【第4次改正】 2001年(平成13年)施行
・一般病床と療養病床の区分化
・医療計画制度の見直し
・適正な入院医療の確保
・広告規制の緩和
・医師の臨床研修必修化(医局制度に変化大)

「一般病床」と「療養病床」を区分化し、届出を義務付けました。それに伴い、1床あたり面積、廊下幅といった施設要件も大幅に変更となりました。

【第5次改正】 2007年(平成19年)施行
・患者への医療に関する情報提供の推進
・医療計画制度見直し等を通じた医療機能の分化・地域医療の連携体制の構築
・地域や診療科による医師不足問題対応
・医療安全の確保
・医療法人制度改革
・有床診療所に対する規制の見直し

法人制度改革(社会医療法人の創設/新規法人設立を持分なし医療法人に限定)を推進しています。

【第6次改正】 2014年(平成26年)施行
・病床機能報告制度と地域医療構想の策定
・在宅医療の推進
・特定機能病院の承認の更新制の導入
・医師・看護職員確保対策
・医療機関における勤務環境の改善
・医療事故調査制度創設
・臨床研究の推進

今も盛んに言われている「地域包括ケアシステム」の構築が全国的に進められるようになったのがこの時です。

【第7次改正】 2015年(平成27年)施行
・地域連携推進法人制度創設、
・医療法人制度の見直し

第6次改正で掲げた「地域包括ケアシステム」の構築の実現に向けた改正となっています。

4.まとめ

  • 「医療法」は、日本の医療の提供体制を定める法律である
  • 医療法は社会環境の変化に応じた改定を経ている。

大まかではありますが、医療法の改正を時系列で見て行くと、国が目指している医療提供体制の方向性が見えてきますね。
「病院経営~虎の巻~」、次回もお楽しみに!

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