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キャピタルメディカ STORIES

Capital Medica Special Meetup~パネルディスカッション編~

ボリュームが多く、ついついアップに至るまで、3ヶ月程かかってしまいました・・。
量とともに質も含めて読み応えのある内容に仕上がったかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
では、下記より本題です!

『2-30代の若手から経営人材が生まれる会社とは?』をテーマとしたパネルディスカッションに当社から原(取締役COO)、白子(事業企画部長)、青木(キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表)、高田(経営サポート部)の4名が参加しました。


左から:原、白子、青木、高田
※所属・役職は、Meetupイベント時現在

―高田さんは経営支援の担当者として20代にして数百人の組織(病院)を任されているとのことですが、これまでのご経歴を聞かせてください。

高田:
私は大学を卒業後、不動産系の経営コンサル会社に就職し3年ほど営業をしていました。
キャピタルメディカに入社したのは約3年前なのですが、当時は医療業界に関してはまったくの素人で、病院の再建の仕方はおろか構造すらまったくわからない状態でした。しばらくは、先輩や上司に付いて現場とのディスカッションを経験させていただきながら日々勉強し、現在は4つの病院の経営支援担当として、フロントを任せてもらっています。
キャピタルメディカの社内ではイチ担当者ですが、病院にいけばイチ経営者(に近い)という。そのバランス感覚は難しいですが、だからこそ面白いと思っています。

―皆さんは医療ビジネスの最前線にいらっしゃいますが、気になる医療業界のトレンドを教えてください。

白子:
流行りでいうとAI(人工知能)ですかね。医療業界にAIがどんな影響を、どれくらいの時間軸で与えていくかに興味があります。リクルートにいた頃にAI研究所をたちあげた方が、最近ヘルスケアの世界に入るなんて話もあったりして。
そういった、テクノロジーに長けた方々が異業種からヘルスケアの領域に入ってきて、何を起こしていくのかということに興味があります。

青木:
遠隔診療・相談は流行りといえば流行りですね。ただ、そこには様々な議論があって、あんまり意味ないよという方が私のまわりには多かったりします。ヘルスケアのベンチャーのなかでは、昔は患者さんのクチコミを集めますとか、医療情報を集めますといったサービスが多かったのですが、最近ではどちらかというと、マネタイズを意識しているベンチャーが増えてきている印象を受けます。それこそ、5年前くらいはPHR(Personal Health Record:個人が自身の医療・健康情報の記録を活用できる仕組み)、EHR(Electronic Health Record:個人の医療・健康等に係る様々な情報を蓄積し、参照・活用・共有等を行う仕組み)が騒がれて、とにかく情報さえ集めればなんとかなると言う方が多くいましたが、結果として集めても何もできなかったね、という話をよく聞きます。どうやって収益を出していくか、しっかりと考えているベンチャーさんが増えてきています。

原:
(医療の)現場を見ればやれることがたくさん転がっているという現状なので、そういった課題を一つ一つ潰していく過程の中で(AIのような)新しい技術革新を活かしていくという発想で考えないと失敗すると思います。本国内の様々なマーケットを語る上で、絶対に外してはいけないのは、日本は世界ナンバーワンの高齢化社会だということです。一昨年、ハーバードのメディカルスクールの教授の皆さんとディスカッションをする機会があり、たまたま日本の高齢者に対する医療の話をしていたら、“ハイパーエイジングソサエティなのに、なぜ医療の話ばかりしているんだ、医療だけじゃないだろ”、と突っ込まれてしまいました。世界的にみて高齢者が人口の30%を超えた国なんて日本の他にありません。いまだかつて、どこの国も経験したことのない領域にいます。
日本のアドバンテージというかポイントは、医療が先端医療のなかで世界トップレベルではないけれども、平均点がずばぬけて高いということだと思います。それは高齢化社会マーケットにおいては圧倒的なアドバンテージです。すべての方に、高度な医療が提供できているということ。そういった素晴らしいフィールドがある上に、なおかつ公費負担であるということ。この状況を今のうちに研究し、うまく乗り切ることが重要だと考えています。これを乗り切れるオペレーションを考えたら、このあと100年は食べていけるので、そこにもっと向き合うべきと言われました。
これは日本のすべての人が強く意識すべきアドバンテージです。ただ単に高齢者に対して、良い医療を提供するとか良い介護を提供するといった話だけでなく、もしかしたら医療や介護という定義以外のサービスが必要なのかもしれません。そういった視点があれば、今後の20年は面白くなりますよ。

高田:
さきほど原から病院の課題を一つ一つ潰していく中で~という話がありましたが、私がまさに日々それをやっていて、たとえば10~15年先の医療はどうなるんだという見方をすれば、今は丁度転換期にあると思っています。
医療が手を尽くさなければならない領域はどこまでなのか、介護の定義はどこからなのか、はたまた、患者さんの日常や非日常とはどこからどこまでなのかという話です。
病院としてはどこからどこまでを担うべきなのか、病院を抜けたあとに施設系の介護施設などでみるのか、あるいは在宅に帰すように誘導するのか。国の大方針として医療費削減を掲げてある以上、どこかでその仕組み自体を変えなければいけないと感じています。
再三申し上げている通り(キャピタルメディカには)テストフィールドがあるので、どこからどこまでをどう仕組みを変えれば医療費の削減ができて、なお且つ超高齢化社会に対応できるのかということを、現場でディスカッションをしながら考えています。

-経営人材になるにはどのような経験が必要だと思いますか?

青木:
ヘルスケアのベンチャーの経営者さんは、非常に若い方からシニアの方まで幅広くいらっしゃいますが、いいなと思われる方はすべからくフットワークが軽く、ちゃんと(自身で)営業もされています。
私はリクルートやエス・エム・エスという企業の風土が大好きで、たとえば昔のリクルートは新卒で入るとビル倒しというものをやらされると聞いたことがあります。
これは何かというと、ビルの上から下まで飛び込みで営業して、1日100件だか200件だかの名刺をもらうまで帰ってくるなというような、一見するとひどく非生産的な活動のように思えますが…その経験、つまりやりきることが大事だと考えています。
駄目だと断られて面の皮が厚くなっていくことは、事業を創り拡大させていく上で重要な事なのかなと思っています。

白子:
リクルート時代にIPOの仕事をしていくなかで、経営陣と“リクルートは経営人材を輩出する企業といわれているが、なぜなのか”というテーマでディスカッションをしたことがあります。答えはひとことでは言えませんが、詰まるところ思考プロセス・思考の筋がよいかどうかが大事なのかなと思います。また、一番大事なのは、リクルートで繰り返し言われるのですが、圧倒的な当事者意識であると思っています。どんな小さな仕事でも、意思を持てと言われます。自分はどう思うのかと聞かれ、コミットさせる。ただ、失敗しても成功してもよく、結果が出るまでやりきらせることが目的です。これを新卒から絶えずやり続けさせます。ここに尽きるのではないかと私は思っています。
更に、リクルートはそのコミットに至るまでの思考の筋の良し悪しを、縦横斜め、あらゆる方向から詰めまくります。リクルートはなんでもやりたいことをやらせてもらえそうな会社のイメージがありますが、実のところ意外とそうではありません。やりたいと思うことをやるためには、それまでに相当な議論を経なければなりません。
この議論を通して、深い思考力が身につきます。もがかせて、どんどん効率のよい思考をつくらせていくということをやり続けます。だから外に出ても経営人材として活躍できるのではないかなと思います。

弊社も、特に経営支援をやっている高田の部署がそうですが、まさにそれを求められます。
病院のなかに実際に入り込んで、本質的な課題を見つけそれをどう解決するのか、するべきなのかをとことんまで考えて、それを上司である原にぶつけて、まだまだ甘いと言われ…それを繰り返しながら病院があるべき姿になるまでもっていくっていうことをこの歳でやっています。病院のサービス事業のところも同様で、こっちは新しいものを創っていくというプロセスから、(その新しいサービスが)病院のためにどうあるべきかということを死ぬほど考えて、それをサービスとして創っていくと、こういうプロセスですので、同じ環境が整っているかなと思います。

高田:
私は、バランス感覚と距離感が大事かなと思っています。病院と患者さん、病院とキャピタルメディカ、キャピタルメディカの中でも上司の原と私だとか。
病院のなかで一定の裁量は任されていますが、重要な方針や大きな転換が必要な局面だったり、またヒト・モノ・カネが大きく動くところに関してはもっと大局的な目でみている人の判断を入れないといけません。
自分で判断できるところもあれば、全部相談してよいものでもないですし、それは患者さんと病院でも同じで、病院に求められていることを日々患者さんと付き合うなかで積み重ねていく必要があります。そのなかでの距離感やバランス、それぞれの立場で相手のことを考えられるかどうか、そういうところを気をつけています。距離感が近いほうがよい人、遠いほうがよい人様々いるとは思うので、そこも鑑みつつ。

原:
経営人材になるためにはどんな経験が必要かという質問ですが、経営を担って成功を収めるために必要なものは経験ではないと思っています。また、なにかのスキルができるから経営を任せられるということもありません。そもそも、経営を担う立場は二種類あって、一つは自分で事業をつくって起業していく人たち、もう一つはいわゆるマネジメントにつく人たちです。この二種類はまったく性格が異なります。ただ、どちらのポジションでもベースとなる重要なことは“経営というものが偉いと思わない“ことです。
経営者が偉い、現場は経営者の言うことを聞くものだと思っている人は、絶対経営はうまくいかないでしょう。経営者というのは経営という仕事をする人、という意識が大切です。
経営の仕事と真摯に向き合える人かどうか。また、起業家寄りの経営者に関していえば、それよりも前に圧倒的なパッションがあるかどうか。事業に対するコミットという言い方もできるかもしれません。自分が始めたことに対するコミットです。なんとなく、こんなことはじめてみました、では絶対うまくいかないと思います。
ごく稀に、それでもうまくいく人はいますが、それは経営という仕事に途中から特化できた人です。経営の仕事とはなにか、まず数字が読めないというのでは話になりません。ただ、数字がわかるから経営がわかるかというと絶対そんなこともありません。前提条件で、揃えなければいけないスキルはたくさんありますが、絶対に必要なのはバランス感覚です。あとは、コミュニケーション能力。極論すると、この2つさえあればなんとでもなります。
コミュニケーション能力と言っても、自分の考えていることがまとめられて伝えられるだけでいいかというとそれは違います。それは前提条件で、自分の伝えたいことはまとまっているのは当然で、それがどんな伝え方をすれば100%に近く伝えられるかが分かっていて、且つ相手にどのくらい理解させられているかを正確に感じ取れるかどうか、ここの感覚を鍛えるのが一番重要です。あとはロジックです。筋道をきちっと通せるのか、ぶれないか。ただ、ロジックが組み立てられるから経営がうまくいくかといったら、それも違います。繰り返しになりますが、コミュニケーション能力とバランス感覚、この2つが大事です。

-青木さんは経営者の方とお会いされる機会が多いですが、その観点で言うとどんな基準で良し悪しを見分けているなどありますか?

青木:
当事者意識があるかないかですね。経営人材って聞くとかっこよく聞こえますがファッションではないので、やってみるとしんどいことしかありません。どれだけ一方的な熱量を維持しつつ、24時間考え続けられるか、やりつづけられるか、そういったところです。

-なぜ皆さんは異業種から医療業界(キャピタルメディカ)に入ったのですか?

白子:
選択肢として、一つは今までやってきたことなんですがPEファンドの仕事をする、あるいはコンサルに行く、それか事業会社。この3つのパターンがありました。ですが、ここは明確に事業会社と決めていました。PEファンドはやってきたこともあって仕事内容は分かっていましたし、コンサルも前職時代にお付き合いしていてどういう仕事かイメージはありました。結局また当事者意識云々の話になるのですが、PEファンドもコンサルも当事者じゃないので、というか当事者になれないのではっきり言って面白くないなと思っていました。PEファンドは事業主に入り込みますが、彼らの仕事は人のお金を動かすことなので、そもそも会社を良くすることが仕事ではありません。これは実際にやっていて自覚したことでもあります。お金の運用をしているだけなので、会社の経営としての立場では入りますが、極端に言うと、5年後に一番利益が出る打ち手しか打てず、更に言うとコストカットぐらいしかせいぜい出来ません。
本当は社会に向けて価値を出し続けるためには10年後、20年後に向けた事業に投資をしていかなければなりませんが、それができないことに行き着きました、それは本質的ではないなと。またコンサルも、思っていることを紙には落とせますが、実際に実行するのは当事者です。ですから、当事者にならないとコンサルの打ち手も、本質的にはいいものが出てこないと思っています。凄くまとめるのは上手だけど、ちょっと違うよねといった具合に。ではなぜ事業会社の中でもキャピタルメディカなのか。2つ理由があります。

1つ目は、事業内容についてです。身近な社会的課題に取り組んでいるということ。また、この会社の(業界内での)ポジショニングがよいということ。会社として、事業として自分ごと化できるということがポイントでした。

2つ目は、原の存在です。誰と働けるかということがポイントでした。原とは、あおぞら銀行時代に一緒で、どういう人物かも分かっていました。会うたびに進化しているのが、正直凄いと思っています。また、仕事とプライベートのメリハリがすごくて、普段は人のよいお兄ちゃん的な存在で、単純にこの人とだったらよい仕事ができるなと。

青木:
ヘルスケアビジネスはこれまでずっと見てきましたが、一番のネックは現場を持てないこと、PDCAが回せないことにあります。リーンスタートアップ(コストをあまりかけずに最低限の製品やサービス、試作品を作って顧客の反応を見、PDCAをまわしていく手法)というものがやれず、やってしまったら一発アウトになってしまいます。もの凄く考えてやりたい・トライアルしたい、なのにできない。日本でそれができるのは、キャピタルメディカだけです。カイザーパーマネンテの話を先程しましたが、あの世界観ができるのはキャピタルメディカしかありませんので、迷いはありませんでした。ヘルスケアのベンチャーがどんどん増えて、その結果として病院にイノベーションが起こってそれが社会に還元されていく、そんな仕組みというか世界観をつくっていきたいとずっと思っていました。前職でも色々とトライはしていましたが、足りなかった大きなピースが今の会社にはあります。

原:
銀行時代の最後の9年間に(自分でトライ&エラーをして培った)すべてが詰まっていて、それをもっと使いこなすには銀行をまず出る必要がありました。自分でやるか、誰かとやるか、あるいは、銀行を辞めると言った時に(銀行から)100%子会社作るからそこでやらないか?と言われたので3択でした。しかし、組織をつくる・人も集める・資金の調達もする、そんなことに時間を使いたくありませんでしたので、誰かとやるという選択をしました。ただ誰でもいいわけではなくて、このマーケットで既存でやっている人とはやりたくありませんでした。既存の価値観を壊すためにやろうと思っているからです。ですので、既存の事業の中に入っていくのが一番手っ取り早かったのですが、それは絶対に嫌でした。
医療のマーケットのなかで、新しいビジネススタイルで新しい価値観を創りたい、その共通項で同じ夢を見られる人は誰かいないかなと思っていたら古川(キャピタルメディカ代表)がいました。

高田:
私は、経営というものの何たるかを知りたかったので、経営コンサルという仕事なら様々な経営者の方と会えると思い大学卒業後は経営コンサル会社に入りました。実家が医療法人を営んでいるということもあり、将来的な目線で考えると医療に関わったほうが良いだろうと思ってどこかないかなと探していたところ、キャピタルメディカと縁がありました。キャピタルメディカはいまの業態で、現在のところイニシアチブが取れていますし、この先5-10年は食べていけるだろうとは思っています。にもかかわらず、常に変わろうとしているところが凄くいいなと思っています。次にどこに手をつければよいのか、どんな分野に入り込めば良いのか、常に考え続けている会社です。

-将来こうなりたい、といったビジョンはありますか?

今私が担当している病院ですが、北は苫小牧、札幌、埼玉、神戸、この4つを任せていただいています。1週間でほぼ全部を回るので、身体的にはものすごくしんどいです。私は既婚者なのですが、家には土日しか帰らないという状況が続いています。一方で、すごく生き生きとやらせていただいています。今は正直それだけで、何年後にこうなりたいとかはないです。もっと難しい案件を任せてもらいたいとか、もっと上の立場で包括的に見たいとか、そういう気持ちはありますね。

原:
ちょうど高田くらいの年代のレイヤーが一番忙しいと思います。同じようなキャリアを経て部長になった人間がいますが、本人も部長になりたくてなったわけではありません。正直、現場のほうが面白いからです。ただ、ずっとやっていくと勝手にスキルがついているので、次のレイヤーに上がっても遜色ないレベルに達してしまいます。全員が全員そうなるとは決して言いませんが。彼なんかは、この会社だったらなんとでも化けられます。今のラインの延長線上で、キャピタルメディカがバックアップしている病院のコントローラとなるポジションも狙っていけますし、あるいは、現場そのものを熟知している立場なのでその知識をもとに新規ビジネスを立ち上げたいと思えば、当社はじゃあやってみろとも言えます。青木がキャピタルメディカ・ベンチャーズを立ち上げたいといったときに、やってみればと言ったのと同様。そういう流れでうまくいったものが、当社の事業としても拡大していっています。今彼は日々追われていますが、目覚めればいくらでもチャンスはあります。

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