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キャピタルメディカ STORIES

「Healthcare Venture Knot」イベントレポート③ ~パネルディスカッション 【乳がんの早期発見とミライの検査】 編~

こんにちは、キャピタルメディカです。

 

ここからは『Healthcare Venture Knot』イベントレポート第3弾、パネルディスカッション編へと入ります。

 

今回のパネルディスカッションは女性の「がん」をテーマにしています。

前半は「乳がんの早期発見とミライの検査」、後半は「患者にとって最も適切な治療とは」と題し、

がんに罹患された当事者、患者と日々向き合っている医療従事者、医療に関する課題解決のためのサービスを提供しているスタートアップの3者それぞれの視点からお話しいただきます。

それでは前半からご紹介していきましょう。

パネルディスカッション【乳がんの早期発見とミライの検査 ~日本人に合った乳がん検査を考える~】 ※敬称略

 

◎登壇者

当事者:矢方 美紀(タレント、元SKE48

スタートアップ:東 志保(株式会社Lily Medtech代表取締役社長)

医療従事者:中山 祐次郎(医師、総合南東北病院外科医長)

モデレーター:青木武士(キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表)

はじめに、今年の4月に、乳がんによる左乳房全摘出とリンパ節切除手術を公表され矢方さんに、乳がんを発見した経緯を伺いました。

矢方:
「2017年2月までSKE48のメンバーとして活動し、卒業後は名古屋でタレント活動をしています。人に見られるお仕事なので日頃から美容目的で胸のマッサージをしていました。そしてある日、しこりがあるのを見つけました。それはビー玉のように硬くて。痛みは全然なかったけど、あきらかに違和感があって、まわりの勧めもあり病院に行きました。そこではじめて受けたマンモグラフィー検査のほうが痛くて大変でした」

東:
「マンモグラフィー検査は本当に痛いですよね。私の時は女性技師の方が担当してくれましたがそれでも人前で胸をさらすことに抵抗がありました。被爆のリスクもありますし。そんな思いまでしたのに乳腺組織が多いデンスブレスト(高濃度乳房)なので結果がよくわからないと言われました。乳腺組織が多いほど全体に白っぽい画像になり、そのなかで白く写るしこりを探すのはいわば“雪原で白ウサギを探す”ようなものです。」

中山:
「がん細胞自体は痛くありません。胸のしこりで痛みがあるとしたら乳腺症などが考えられます。ですので、痛みのないしこりは乳がんの可能性が高いと言えます。そしてマンモグラフィー検査で結果がわかりにくいデンスブレストは日本人に多いと言われています」

続いて、東さんが開発している新しい乳がん検査装置「リングエコー」についての紹介がありました。

東:
「この世界に入ったのは母を亡くしたことがきっかけです。悪性の脳腫瘍で余命1年半という宣告通りに亡くなり、病気が多くの人の人生を変えてしまうということを実感しました。その後、医用超音波研究者の夫に誘われ2015年に東大の超音波CTプロジェクトに参画、2016年にLily MedTechを創業してリング型超音波振動子『リングエコー』の開発をしています。クリアな3D画像が撮影でき人前で胸をさらすことも被爆リスクもありません。」

中山:
「ベッド状の装置にうつぶせになって検査をするんですね。デモ画像をみると、明らかに画像の精度が違いますね。驚きました。これならば技師の経験値の差による見落としがなくなりますね。」

東:
「いずれはAIの画像診断を搭載し、より精度の高い検査ができるようになる予定です」

まさに“ミライの検査法”である「リングエコー」。医療機関で臨床研究をしている段階とのことでした。
そして矢方さんは今後も、SNSなどで自身の生活・闘病の様子を発信し、乳がんの正しい知識の普及・セルフチェックの重要性を広めていくそうです。

矢方:
「最初に抗がん剤を投与した際は副作用で吐き気がすごくて。10分に1回お手洗いにいって、それが8時間続きました。この生活が続くのかと思いましたが今の抗がん剤になってからだいぶ楽になりました。9月までは週1回点滴の抗がん剤を投与していて、生活のなかに治療が組み込まれている感じで普通に仕事もしています。食欲も旺盛で今日もパンを2個食べて新幹線で上京してきました(笑)」

中山:
「以前に比べて抗がん剤の副作用は減ってきているとはいえ、大変な思いをされたかと思います。がんは早期発見・早期治療に勝る治療法はありません。東さんのようなヘルスケアベンチャーの技術革新により検診受診率があがり乳がんの早期発見につながることを、医療者である自分も大いに期待しています」

矢方:
「今まで病院の先生や看護師さんはコワイ人たちなのかなと思っていたけれど主治医の方や、中山先生のように面白くて(笑)でも真剣に病気と向き合ってくれる医療者がいるし、東さんのように最新技術でサポートしてくださる方もいることがわかりました。
実は今日はウィッグを着用して登壇しているのですが、乳房に髪の毛…乳がんになって失うものばかりだと思っていたけど、今回の経験で得るものも多かったです。いま乳房の再建をしなくてもいいかな、という気持ちになっています。私の人生は片方のおっぱいだけでできているわけではないぞって。そう思いながら恋愛も含めて全力で楽しみたいと思っています。そして私が情報発信することで世の中で同じような悩みを持っている女性へのポジティブなメッセージになればと思います。」

元気いっぱいな笑顔で明るい空気に皆を包み込みながら、会場を後にした矢方さん。
その後、多数来場していたメディアの取材も勢力的にこなし、最後に私たちにもコメントをいただきました。

 

登壇者の皆さん、ありがとうございました。

ゲンバからは以上です。

次回は、子宮頸がんにフォーカスした「患者にとって最も適切な治療とは」編に続きます。

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